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熊本県農業共済組合
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5月号

 

2016年5月号

2016年5月号
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5月4週号 搾りたてに近い味を提供

■ノンホモジナイズ、低音殺菌 / 湯野 薫さん、めぐみさん・水俣市

 
 【八代・芦北支局】「自分が作った牛乳を地域の方に提供したいと考え10年前に牛乳加工場を設立しました」と話すのは、水俣市袋の湯野薫<ゆのかおる>さん(61)。妻のめぐみさんと乳牛を飼育するとともに、自ら牛乳を製造し、「水俣エコ牛乳」として、宅配や店頭で販売している。
 「小さいころからずっと牛と関わってきました」という湯野さんは、高校卒業後北海道の酪農専門学校で3年間学び、単身アメリカに渡り乳牛の品種改良に取り組んだ。帰国後は大阪の牧場で2年半働き帰郷した。
 「地元に帰ってきて、現在の経営形態になるまでは試行錯誤の繰り返しで大変苦労しました」と当時を振り返る。加工場設立の際もなかなか認可が下りず、さまざまな人が協力してくれたという。現在は、個人だけでなくレストランやケーキ屋など300軒ほどの顧客を持ち、午前3時から配達。帰宅後に牛の飼育・搾乳と忙しい日々を送っている。
 水俣エコ牛乳は、昔ながらの方法で製造している。一般的な工場で製造する牛乳は、脂肪分が分離しないように脂肪球を壊し、成分を均一にするホモジナイズ処理を行う。この処理をすることで、高温短時間殺菌が可能となり、生産効率が上がるという。

 

■県内外から引き合い

 
 湯野さんが製造する牛乳は、ホモジナイズ処理せず(ノンホモジナイズ)、低温殺菌処理で製造している。本来の脂肪球を傷つけないため、搾りたてに近いコクが生まれ、味も濃い。この方法で牛乳を製造するところは全国的にも少ないという。そのため、県内外から問い合わせが年々増えている。湯野さんの牛乳は「道の駅水俣」「福田農増」「JA直売所おろろんこ」などで購入することができる。また、道の駅水俣では同牛乳を使ったソフトクリームを限定販売している。
 今後について「今は忙しく時間がないが、バターやチーズなど加工品にも挑戦し、地元の食材を扱う飲食店に提供したい」と目標を話してくれた。 (下田誠一・小見田亮二)

 
▽水俣エコ牛乳湯野牧場
0966-62-2756
 
5月2週号 前を向いて進む

■農事組合法人「秋津営農組合」組合長 中川有朋さん(熊本市)

  
熊本地震は、県内の農業関係に甚大な被害をもたらした。県が1日現在で推計した農業被害額は767億円。特に、ため池や用排水路など農業用施設の損傷が大きく、被害額の約半分を占める。農道には段差ができ、農業機械の走行は困難なうえ、農業の命である水確保も難しくなっている。被害額は今後も膨らむ見通しだ。農事組合法人「秋津営農組合」の組合長を務め、花きを経営する中川有朋<なかがわありとも>さん(熊本市東区、69歳)は「家の片付けや今後のことでカーネーションの対応が難しい」と話しながらも、「前を向いて進む」と再起を誓う。

■水田は9割を大豆に転換 麦収穫控え農道整備が急務

 
 【熊本市】「気持ちが沈んでいてもしかたない。協力して前向きに、一歩一歩前に進んでいくしかない」と話す、熊本市東区沼山津の中川有朋さん。NOSAI熊本市支所の事業推進委員会会員および総代を務める。
 4月14日の前震で納屋が、16日未明の本震で自宅が全壊。一度目の地震後、避難していたため、家族は全員無事だった。
 中川さんはカーネーション13.2アールを栽培するとともに、農事組合法人「秋津営農組合」の組合長を務める。2013年10月に設立した同組合(組合員数137人)のほぼ全員が被災した。自宅が全壊した組合員も多く、組合員全員がどこに避難しているかも把握できていない状況という。そんな中、同組合では4月30日に今後の見通しについて話し合った。水路の破損などにより、作付面積178ヘクタールのうち今年、水稲が作付できるのは約15ヘクタール。水稲が作付できない残り163ヘクタールは大豆を作付け予定だ。
 「水田の陥没や、道路と橋の差が最大50センチの箇所があります。農業に一番大切な水を運ぶ水パイプラインがどうなっているかもまだわかりません」と中川さん。同組合では現在、77ヘクタールの麦を栽培している。6月上旬に控えた収穫までに農道の整備をしないとコンバインが圃場に入れず、刈り取りができないという。「県や市には現状を話し、強力をお願いしています。応急処置としてコンバインが通れるまでに整備をお願いしたい」。また、5月末までに組合員にアンケート調査を実施し、今後の方針を決めていくという。
 

■カーネーション 今年の植え替えは見送り

 
 中川さんの栽培するカーネーションのハウスは幸い大きな被害はなかったものの、今年の苗植え替えは見送るという。「家の片付けや今後のことでカーネーションの対応が難しいです。6月に納品予定の苗もキャンセルしました」。苗の植え替えができないため、来年は収穫できない。通常10月から5月末まで収穫するが、今年は母の日前の5月上旬で収穫を終了した。カーネーションの仕分けなどは、唯一倒壊を免れたもう一つの納屋で行った。「残った納屋も倒壊の恐れがあるため、今後立て直す予定です」。電気がつかないため、夜は車の明かりで仕分けをしたという。

 

■一日も早く地震前の状態に

 
 今後について「うちの営農組合は、20代から40代の組合員が約30人います。この若い世代に負の遺産を残すわけにはいきません。しかし被災した中で、復旧費用を組合員で負担するのは難しい。そのため国や県、市の協力が不可欠です。水田が戻るまでに3年ほどかかると思いますが、みんなで協力し、一日でも早く地震前の状態に戻していきたいです」と話してくれた。 (濱田紗矢香)
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