【阿蘇支局】「ゼロからスタートして、やっとここまできました」。西原村で農業を始めて2年目の米田雄希さん(28)は昨年、水稲35アール、カボチャ130アール、サトイモ30アール、ジャガイモ20アールを作付けした。
体育大学を卒業後にいったん就職。実家は非農家で、農業とは無縁の環境だった米田さんは、勤めながら「したいことが何もないな」と考えていた時、ふと「農業をしよう」と思い立ち、退職して県立農業大学校に入学した。卒業号は農業経験を積み、独立して実家のある西原村で就農した。
米田さんが独立して取り組んだのはカボチャ作り。西原村が「万次郎かぼちゃ」を推奨していることや、機械をいろいろそろえなくても広い面積に作付けることができ、収穫できるという利点がある。
「万次郎かぼちゃ」は、5月に植え付けし、10月から11月にかけて収穫。収穫後、貯蔵しておくと甘味が増し、スープや洋菓子などに適するという。「安心、安全で、自分が食べて納得するものを作りたい」と米田さんは力を込める。
独立して2年目を迎え、「就農者の減少が問題となっているが、自分のように田畑も機械も持っていない就農者へのバックアップがあることが大きな力になっている」と振り返る。「自分が頑張ってこられたのは、家族や西原村の農家の先輩、地域の方の支えがあったからこそ」と感謝する。
目指すは大規模経営
今年は水稲1ヘクタール、カボチャ1ヘクタール、サトイモ45アール、ジャガイモ60アールを作付けする予定。「水稲と根菜類を軸に、将来は大規模農家になりたい。ゼロからスタートした自分の取り組みが、就農を考えている人の力になれたらいい」と意気込む。
農業大学校では肉用牛コースで学び、人工授精師の資格も取得した米田さん。今後は牛を導入し、畜産にも力を入れていくつもりだ。