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12月号

 

2016年12月号

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12月2週号 効率良い経営目指す

7品種のミニトマト

効率良い経営目指す

 

【玉名支局】6年前に勤めていた会社を辞め、親元就農の形で就農した玉名市の坂上隆也さん(34)。就農2年目で高校時代の友人・畔上洋一さん(34)とともに独立した。現在は、玉名市岱明町と阿蘇郡波野村の2カ所でミニトマト60㌃を作付けている。栽培するミニトマトは、坂上農園ブランド「まるたか(隆を○で囲む)」の名称で県内スーパーをはじめ、関東・関西方面に出荷。


 当初は赤いミニトマトの作付けをしていた坂上さんだが、商談会でカラフルトマトの評判がとてもよかったため昨年から「赤・緑・黄・黒・紫」の5色のミニトマトを栽培。食卓に彩りを添えるカラフルトマトは消費者の評判も上々だ。今年は「オレンジ・ピンク」の2色も初めて収穫を迎え、合計7色のミニトマトを出荷している。
 「赤いミニトマトは熟れ方が見た目でわかりますが、緑やオレンジのミニトマトは熟れても色に変化がないので、とても苦労します」と収穫の難しさを語る。ミニトマトの房を裏返したり、他の房と見比べたりして若干の色の違いを見極めながら収穫を行っている。また、同じハウス内で異なる品種のミニトマトを作付しているため「生育が品種ごとにばらばらで、収穫時期を合わせることが大変です」。樹勢の強い品種に合わせて灌水を行い、生育状況を見ながら追肥等を行っているという。

 

スマホアプリで栽培管理

データ化して次作に反映

 栽培管理にも力を入れ、ハウスごとに常時スタッフを配置。肥培管理や温度管理、水切りなどは、スマートフォンの専用アプリで詳細に管理している。ハウスごとの収穫量もデータとして残し、収穫後は各自、自己評価を行い、「何が悪かったのか」を反省し、今後に栽培に生かしている。

グローバルGAPを取得
 坂上農園では、グローバルGAP(世界標準の適正農業規範)を取得。グローバルGAPでは、農業生産の取り扱いにおける農産物の安全管理手法や労働安全、持続可能な農業など環境保全型農業実践のためのチェック項目を定めており、坂上農園では300のチェック項目をクリアしている。

 「審査は毎年行われ、一つでもチェック項目に不備があれば、認証を得ることができません。大変厳しい内容ですが、安心・安全なミニトマトを食べていただきたいとの思いで取得しました。また、グローバルGAPは食の安全に限らず、労働安全・環境保全・生態系の維持にも取り組むため、これからの農家が取り入れていくべきことだと思います」と語る。
 来年は、作付面積を50㌃増やす予定。「カラフルトマトを増やす予定ですが、商談会では毎年珍しい野菜や調理後に栄養価が高くなる機能性野菜などが出品され、バイヤーの方がとても注目しています。消費者のニーズを見極めながら今後は、ミニトマト以外の作物にも挑戦していきたいです」と意気込みを語ってくれた。(濱村浩史)

 

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